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マンガの創り方―誰も教えなかったプロのストーリーづくり


山本 おさむ(双葉社
マンガの創り方―誰も教えなかったプロのストーリーづくり


マンガの描き方の教科書。純粋に技術的な。
映画のシナリオをお手本にしていて、「箱書き」ということを勧めている。
1つの場面に1つの箱を作って、そこではどんな台詞を入れるのか。
この箱を基準にストーリーの構成を考えていく、という感じ。
著者の昔の作品と、高橋留美子のPの悲劇をお手本として、微に入り細に渡り解説していく。
かなり実践的で、「新人漫画家がとりあえずデビュー作を出して、次があるかというと、なかなか難しい。よくないと編集者が言っても、どこをどう直せばよくなるのか分からないし、編集者もマンガのプロじゃないから、どう直せということは言えない。ただ、よくないことだけは分かる。そうやって、創作の迷路にさまよいこんでしまう」という事態を前提としているようだ。
実は、マンガを描かない私にとってはあまりに具体的すぎる話なので、全ページを読破したわけではなく、そういうところがおもしろかった。
山本おさむさんのマンガを読んだこともないのですが、映画のようなドラマチックなストーリーマンガにはこの手法は有効かもしれないけど、そうでないジャンルもあるんじゃないかと思った。
いや、実際には商業用に流通しているマンガは、そうは見えなくてもこういう緻密な構成の検討がなされているのかもしれないけど。


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読んだらたまたま関係あった。山田太一河合隼雄にシナリオ作りについて語ってた。
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