芋蔓読書

はてなダイアリーから引っ越しました

ライ麦畑でつかまえて

〜芋蔓〜#本のときめきタイトル10選から〜




(7)ライ麦畑でつかまえて
タイトルに対してはむしろ拒否感に近いものも持っていたが、何の加減か読んでみたところ、予想と全然違った。


予想:ライ麦畑で、金髪、白いスカートの美少女がキャッキャウフフと走っていて、青年に「つかまえてごらんなさい!」と言っている。
実際:ライ麦畑の縁辺に立ち、畑を走り回る子供たちが崖から落ちないよう捕まえる人に私はなりたい。


しかしこの誤解は訳のせいというべきで、原題は「The Catcher in the Rye(ライ麦畑で捕まえる人)」である。
それはあんまりにもあんまりな日本語というなら、「ライ麦畑で捕まえたい」の方が近いと思う。
原題には「つかまえて」という命令・依頼的な要素は皆無であるし、「つかまえて」というと主人公は女性だと思ってしまうではないか。
巧妙な訳だ(ほめている)。


※今調べるといろんな訳が出ており、「ライ麦畑の捕手」というのもあるようだ。
村上春樹も訳していて、それは「キャッチャー・イン・ザ・ライ」なのか。へ〜。
訳者解説は収録できなかったため、別途「 翻訳夜話2 サリンジャー戦記」という本に収められているとか。
サリンジャー、さすがだな〜。いろいろと。







  〜芋蔓〜(8)白河夜船へ〜