芋蔓読書

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神聖喜劇


〜芋蔓〜#本のときめきタイトル10選から〜





(9)神聖喜劇
ダンテの神曲の原題は「Divina Commedia」、英語で言えば「Divine Comedy」、直訳すれば「神聖なる喜劇」。
そうだったのか!
神聖なる大日本帝国陸軍内で演じられる、喜劇というほかないわけのわからない出来事の数々を描いた本書に、これ以上のタイトルはないでしょう。
これは読んだ。
読んだきっかけは、ちくま文庫三島由紀夫か何かを読んで、うしろに数ページついている広告まで熟読したときに、神聖喜劇の紹介に出会った。
それがおもしろくて、分厚い文庫全5巻(だったと思う)を読む気になった。
今、その広告をみつけることができていないのだが、まあだいたいこんな感じだったと思う。


戦後日本が生んだ、スケールも内容も桁外れな〈笑い〉の文学巨篇! いよいよ登場。稀代の記憶力・論理力の持ち主・東堂二等兵の壮大な闘い。
(ちくま書房HPより)


とにかく、主人公の「稀代の記憶力」というのが笑えた。記憶力で戦うんですか?帝国陸軍の不条理と??というのがなんとも。。。
おもしろいのでぜひ読んでもらいたいが、出てくるうんちくは全て読み飛ばすようアドバイスしたい。
何ページにも亘ってうんちくが続くが、最初からあきらめて思い切ってページを繰ってもらいたい。
「こういう話題に対してこーーーんなに長々とうんちくを語ったんだなあ」と思えばそれでよい。それが大事。
(稀代の記憶力を発揮しているシーンだから)
読むほうがそりゃいいんだろうが、途中で挫折するくらいなら読むべきでない。というくらい長大。
ほんとうは、自分が読んでないもんで、うんちくを読み飛ばすことの是非を論ずることはできないのだが。
念のためいうと、コメディと言っていいかどうか不明。内容はたいへん重い。が、私は笑ってしまった。
読み始めたら、すらすら読める。
そしてこのあと、陸軍歩兵ものとでもいうべきジャンルにはまったのであった。
おや?もしかして、ちくま文庫版は絶版なのか?






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