芋蔓読書

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ブッダ―大人になる道 (ちくまプリマー新書)


〜芋蔓〜「原始仏典を読む」から〜


アルボムッレ スマナサーラ, Alubomulle Sumanasara / 筑摩書房 (2006/11)
ブッダ―大人になる道 (ちくまプリマー新書)


原始仏典についてもう少し読みたいと思いつつ、パーリ語(原始仏典の言語)について調べていたら、「日本テーラワーダ仏教(=スリランカ上座仏教)協会」のアルボムッレ・スマナサーラ長老にたどりついた。
興味深い著書がたくさんありましたが、私が魅かれたのはこの「大人になる道」。
実は、仏教にいきついたのは、「大人になる道」を模索していた途上なのです。
私の歩んだ道に誤りはなかった!!
というわけで、読んでみました。
中学・高校での授業がもとになっているようで、とてもやさしい語り口調。
最初、最後はさらさらと倫理・道徳的なことでサクサク読めます。
しかし、中盤が難しい!おもしろい!

宗教や哲学も真理を発見する分野だと推測できます。しかし、宗教家と哲学者は科学的な方法とは違う方法で考えています。方法論から見ると、仏教と科学は共通しているので、宗教や哲学で言っていることと、仏教で言っていることは当然違う、ということになります。


ちょお待て!
仏教は宗教じゃないって言ってるんですよね?
まーもうそんな細かいことはどうでもよくなってきていますが・・・。


また引用が長くなる予感・・・。

宗教家と古代の哲学者は、データを調べてから結論を出すのではなく、最初に結論を出して、無理にデータをそれに合わせるという方法を取りました。(中略)
絶対神を語る諸宗教では、信仰が絶対的条件です。何より先に神を信じる。信じるということは、神が言ったとされることを真理として認めることになる。証拠のないものを信仰させる場合は、強引に相手を脅さなくてはならないのです。(中略)
しかし、これは知識人のやり方ではありません。知恵・真理を求める者は、真実をありのままに観察しなくてはならないのです。
(大幅に略)
ですから、ブッダは絶対唯一の神について語るのではなく、生命に共通している普遍的な苦しみについて語り、その苦しみから脱出する方法を指導するのです。それもまず自分が苦しみから脱出して、解脱を経験してからです。


やはり、信仰は関係ないと・・・。
もう、仏教は宗教でないということでいいです。


そして、これが本題!だと私は思ったのですが・・・

だから、データを調べてから方程式を発見する。(中略)ブッダはこの方程式を見出した瞬間に、「わかったぞ」というものすごい喜びを感じました。「わかった。存在というのは、これですべてだ。これ以上は何もないし、これ以下も何もないのだ」と。
(略)

それでは、ブッダの発見された方程式とはどのようなものだったのでしょうか?


ええっ?!そりゃすげえ!!
文字で表現できるの?
今から書くの?!

全ての存在の秘密を解読するこの方程式は、因果法則、因縁論と言われるものです。(中略)
ブッダの方程式は、次の四行です。


「これがあるときは、これがある」
「これがないときは、これもない」
「これが生まれると、これも生まれる」
「これが消えてしまうと、これも消えてしまう」


たったこれだけです。


ふううううううう。
いや、まあ、ね・・・。


「神」というと、わけが分からないでしょう?ですが、「因果法則」といえば、すごく具体的でよく分かるはずです。因果法則で説明できないものは何一つないのです。
だから、仏教では奇跡や偶然などは成り立ちません。何が起きてもそれなりの原因があって起こるからです。一般的に言う偶然だ、奇跡だ、という言葉の意味は、言っている本人が原因を分かっていないからです。


原始仏教が科学的で、宗教的でないことはよく分かりました。
現代におけるいろいろな可能性を感じさせます。
いや、ご覧の通り何も理解していないので、雰囲気で言っていますが。
大人になる道・・・それは・・・まだ分かりません。

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