芋蔓読書

はてなダイアリーから引っ越しました

天啓のゆくえ―宗教が分派するときを読みました


〜芋蔓〜「神の微笑」から〜


弓山 達也/日本地域社会研究所 (2005/06)


読もうとしていて、アテもあるけど入手はできていない天理教関連の本があるのですが、芋蔓順を重視して、ここにスペースを確保しておきます。
それは「天啓のゆくえ―宗教が分派するとき 」(弓山達也著)という天理教の分派問題を論じた本で、目次に「芹沢光治良」とつく章がみられます。
「神の微笑」芹沢光治良著)に井出クニという、中山みきに次ぐ教祖としか理解できない女性が出てくるのですが、どうも天理教とは別に宗教法人として認可を受けているような感じだったので、調べました。
そのときに検索でかかったのがこの本です。
井出クニは、天理教から分派した宗教法人(朝日神社?)の教祖、という位置付けになると思われます。
そして、天理教側からみれば、「異端」で、おそらく否定的に扱われているのではないでしょうか。
天理教の分派問題」とはまたマニアックなネタですが、読んでみたいと思います。


2009/8/15
2年越しでとうとう読みました!
いや〜マニアック!と思ったけど、そうでもないのでしょうか。
天理教がこんなに広く研究されているとは知らなかった。
宗教史として天理教のことをよく知る、という観点ではおもしろかった。こんな資料よくあるなー、というものまである。
でも、ここから分派の一般論へ広げるには厳しい。なぜなら、キリスト教でもイスラム教でもそうなんじゃないの?と素人目にも思うような、特に目新しいことがなかったから・・・。小さくて身近な教団を扱った利点は特に感じなかった。


井出クニだけじゃなく、天啓を受けた教祖はいっぱいいた!
分派のモチベーションはいろいろあるけれど、特徴的なのは、信者に天啓を受ける人が出る、というところがおもしろいところなのですが、そんなにたくさんの人が天啓を受けるのか、というのが驚き。教祖が量産されている・・・。そういうものなのでしょうか。
天啓・・・天啓ってなんだろう。
やはりこの本で一番おもしろかったのは、最後の章の「芹沢光治良の晩年と天理教」で、「神の微笑」に出てきた中山みきの言葉を取り次ぐ「伊藤青年」についてかかれているところ。私が「神の微笑」を読んで、井出クニや伊藤青年に興味を持ったように、世間の人もそうだったらしく、伊藤青年のお宅(市営住宅)に数百人を超える参拝者が集まり、やがて天命庵と呼ばれる信徒組織ができあがったそうだ。
そして、伊藤青年は平成21年現在も活躍している!!(青年ではないでしょうが)
結局、私はまだ芹沢光治良の晩年の宗教的な作品は「神の微笑」しか読めてないですが、それも予想以上にディープな様相ですし、伊藤青年にも著書があるみたいですし、長い道のりが続いていそうです!