芋蔓読書

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若干ちょっと、気になるニホン語

〜芋蔓〜日本ばちかん巡り(その3)から〜


別の本を探して「言語」的なコーナーの背表紙を睨みつけていたときに、たまたま著者名「山口文憲」が目に入った。
ばちかん巡りの人では?
言語分野の人とは思えなかったが・・・
とパラパラみると、
「2003-2012年に文學界に毎月書いてきたコラム(ニッポンの名文)が100回分たまったので書籍化」
とのことであった。
確かに、このひょうひょうとした感じ、ばちかん巡りっぽい!
一つの話題は2ページ。
全文引用したくなるというか、部分を引用するのが難しい…

多目的トイレ?はて、初めて聞く日本語だが、トイレが多目的とはいったいどういうことなのだろうか。(略)
ご承知の通り、トイレというのは本来きわめて単一目的性の高い施設である。つまり、人間が用便するところにほかならない。
(多目的トイレ)

考えてみると、私みたいな仕事をしている者には自分の好きなように日本語を書く自由がない。少なくとも活字メディアに書いている限りはない。もし規範を逸脱すれば、たちまち編集者や校閲者から厳しい教育的指導と矯正を受けるはめになるからである。
一方、これとは正反対の仕組みになっているのが、あのネットの世界だろう。そこは日本語のきまりにこだわらない人、作文能力に障害を抱える人にも平等に開かれていて、どんな日本語を書いてもノーチェック。その点では、たしかに民主的でバリアフリーで、共生の思想に満ちた空間なのだが、しかし、それだけに読まされるほうはたまらない。
(とある建設会社の人が子犬のときに)


著者略歴を見ると、確かにばちかん巡り書いた人だ。
略歴の末尾に「親指シフトユーザー」と書いてある。
親指シフト?シフトキーを親指で押してしまったらもう何もできませんぜ。なんだろ。なにかの冗談かな?
と思って念のため調べたら、そういう日本語入力の一派がある!日本語入力に特化したキーボードがあるらしい!
知らなかった・・・。